はい、こんばんは
はるかです
下手小説の続編です
私が書く物ですからソフトGLとなりますので、
キモイとか不快なことが予想されます。
そういった方は、スルーして頂けたらと思います。
キャラクタのイメージ(もしもGF(仮)に代入したなら)
広野由美・・・上条るい
鈴木はるか・・鴫野睦(ツインはカントリー)
川内鏡子・・・重藤秋穂
富岡輝・・・・・飛原鋭子
双葉明菜・・・不知火五十鈴
<前回までのあらすじ>
名門高校に合格した、由美とはるか。
二人は、ある理由から、お菓子部に入ろうとする。
しかし、お菓子部に入るには入部選考会で勝利しなければならない。
果たしてお菓子部に入ることができるのか?
前作
おかしいな1
その他自作小説
永遠ップ1 永遠ップ2
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おかしいな2
《調理開始》
鏡子先輩の合図で、選考会が始まった。
ざっと見たところ、オーブン4台に
広めのコンロ付キッチンテーブルが8台、
なんだろ、専用冷凍庫かな。それに普通の冷蔵庫も4台ある。
調理実習室を借りている・・・という感じではなく
専用の設備のようだ。インターハイ常連校なので、
設備は充実しているのだろう。
「はるか、ボーとしてないで冷蔵庫の中見て」
由美は、あたしにそういうと、確保した場所に
ボールなどを並べていた。
こういう時に、イニシアティブを発揮して、
引っ張っていってくれるので、あたしはついつい『お世話』に
なってしまう。
高校受験も、なし崩し的に由美に付いていったけど、
その先の未来も、こんな関係が続くのかな。
あたしは、そんな由美との関係が一番落ち着くと思っている。
でも今は余計な事を考えず、さっさと作業してしまおう。
冷蔵庫を開けてびっくり、中には大量のヨーグルトと
クリームチーズがあった。やはり作る物は決まっているらしい。
「レアチーズケーキを作れといわんばかりに、チーズがあったわ」
すると由美は、
「それを作る位なら、選考会なんかいらないわよ」
と言い放った。その時、周囲の候補生数名が由美の方をジロリと見た。
由美ってば、言いたいことをはっきり言うから、
ドキドキさせられる。そんなあたしを脇目にも触れず
坦々と作業を続けていた。
選考会開始早々から、由美は何を作るか決めているようだった。
「ところでさ、何作るつもり?なんか考えてるでしょう?」
あたしは、素直に聞いてみた。すると由美は、自信満々の顔で
「アレしかないでしょ、アレしか。2品でしょ?」
「アレって何よ」
由美は、分かっているのだろうけど、あたしは全然分からない
うーん。何かな。うーん。ま、まさかアレじゃないわよね。
でも40分で出来るわけないよ。焼くだけで40分なのに。
あたしは、恐る恐る聞いた。
「アレって、まさか最初にあたしが教えた・・・」
「そう、そう!良くアレで分かったわね」
由美は満足そうだ。そして続けて言った。
「だって、はるかとお菓子作るなら、楽しく作りたいじゃん
あのお菓子は、私の一番楽しい思い出のお菓子だからね」
どうしよう。こういうこと言うの反則だと思うわ。
なんか凄く嬉しいけど、恥ずかしいよ。
「わ、わ、わ、分かったわよ。でもあまり人前で、
恥ずかしい事言わないでよ」
「はーい、そこのバカップル、口動かさなくていいから
手を動かそうね」
突然先輩の一人が、あたしたちに向けて言った。
同時に、爆笑する先輩と候補生たち。そして一挙に場が和んだ。
由美は「怒られちゃった、テヘッ」と言って舌をだした。
こんなカワイイ素振りもできる、万能タイプなのが
とっても魅力的なところである。
由美は、既にお湯と牛乳を沸かしていた。
あれ?この子計量どうしたんだろ。レシピもなく。
「分量どのくらい入れた?」
「ん?適当、どうせそんなとこ見てないって」
由美は、先輩達が見ている前で、堂々とそういう事をいう。
「お菓子作りは計量が命だって、あれほど言ったのに」
「はるかは、潔癖すぎるんだよ。こう言う時はいいの」
見た感じは、水と牛乳を1/2カップ程度沸かしている。
これなら、バター70g程度か。あたしは、目印のついた
バターで70gきっちりのところで切って鍋に入れた。
「由美、薄力粉120gふるって」
「はいよ」
同時に、全卵をボールに空け溶き卵を作った。
ここまで3分、もの凄い勢いだ。
「じゃあ、あとの生地は、あたしが混ぜるね。
由美は時間が掛かるガナッシュ作ってくれるかな」
「了解」
「うわわわ」由美が急に悲鳴を上げた。
「どうしたの?」
「生クリーム入れ過ぎちゃった」
ガナッシュというより、ココアみたいになっていた。
「分かったわ、アイシングは粉糖だけで行くわ、
これは、カスタードに入れてチョコ味にしましょう」
「ごめん」
「いや、いつも失敗するのあたしだし(笑)」
「余熱何度にする?」
少し離れたオーブンの場所から、由美は大声で言った。
「ちょっと、待って175度40分だから、30分で作るには、
時間積分して総熱量を求め、前半10分を微分したら・・・
えと、∫t1→t2が・・・」
ドギマギしているあたしに、由美が叫んだ。
「何やってんの?はるか、あんた数学得意でしょうが?」
そういう問題ではない。この前まで中学生だった
あたし達は、数Ⅰすらまだ習っていないのだ。
数Ⅱの微積など趣味程度にしか窘んでない。
色々な係数が適当だけど、220度くらいなら焦げないか。
「220度で余熱おねがい」
「はいよ」
戻ってきた由美が、絞り袋の準備をしていた。
「私が絞るね」
と由美はニコニコしながら言った。
周りを少し見ると、他の候補生は、パンケーキとか
レアチーズを作っているようにみえる。
4台しか無いオーブンを2台使えるなんて、ラッキーだ。
と言っても、残り2台を誰かが使う素振りもない。
由美は、ここまで考えてたのかな。
二つの天板に生地を絞り終えた由美は、
それを持ってオーブンにセットした。
焼いている時間にカスタードを作れば、
なんとか40分で完成させることができる。
とりあえず、ひと段落付いた。
「フーッ」と由美は息を漏らした。
「うまく膨らめよ~!!」
あたしが、真剣に願掛けをしてたら、
由美がとんでもなく失礼な事を言った。
「はるかの胸みたいにならない事を祈る」
「し、し、失礼な!!あたしのはこれから成長するの」
まったく、大衆の前で、何を言うかな。ほんと。
由美は、
「初めて使うオーブンなんだから、はるかが
ちゃんと見ててね」
と言い、キッチンテーブルに戻って作業を続けた。
「はいはい」
本当にお気楽だ。
二つのオーブンには、棒状の生地と円形の生地が
それぞれ入っている。
あたしは、オーブンの窓から見える生地を
注意深く観察した。見ていると、生地の表面が乾燥して、
生地全体が盛り上がったと思ったらぷっくりと膨らんだ。
「よかった」
あたしは、ほっと胸をなで下ろした。
部室にはインターネット端末も装備されていたが、
レシピも見ず、適当に作っているお菓子。でも
ちゃんと予想通りに膨らんで、うまく行っている。
ただ、このお菓子は、ここからが肝心だ。
温度を下げた途端、せっかく膨らんだ生地が
潰れてしまう。膨らんだ状態で、焦がさず
乾燥させて固着させるのが良い。
冷やすと言っても扉を開けたりしたら、一巻の終りである。
かといって、このままの温度だと、
固着する頃には、真っ黒焦げになってしまう。
まさに温度調整が腕の見せ所だ。
少し時間があるので、キッチンテーブルの方に戻った。
由美は、残った卵と失敗したガナッシュを使い
レンジですぐに出来るカスタード作っていた。
チョコレート味と、プレーンバニラ味だ。
甘いのが好きだから、甘いカスタードに
仕上がっているのだろうなあ。
あたしは微糖の方が好きだけど。
「ちょっと味見」
あたしは、スプーンで少しすくって食べてみた。
「おおおお!ダマも無く滑らかで、甘さも良い感じ」
思わず感心してしまった。
「ふふふ、はるかの好きな味に仕上げたのだよ」
と、由美は得意そうに言った。
「そうなん?ほんと絶妙な甘さ加減だわ」
「でしょう」
由美は、凄く楽しそうだ。それを見ているあたしも、
なんだか楽しくなってきた。
「うんうん。なんか楽しいね。えへへへ」
「そんな事より、オーブンみてなくていいの?」
「うわわ」
あたしは、慌ててオーブンに戻った。
オーブンに戻り、窓から焼き色を見てみる。
この色なら大丈夫だと思う。
本来、このままオーブンで冷ますのが安全なのだけど、
時間が限られているので、そうもいかない。
「いざ勝負」
おもむろにオーブンを開け、
取り出した生地を1つ食べてみた。
「よかった、大丈夫そう」
あとは、生地を切ってフィリングを入れたら完成だ。
あたしは、全ての生地を取り出し、金網の上においた。
「わー、美味しそう」
由美も焼き色を確認した。
時間を見ると、少し早めに完成しそうだった。
ただ、生地とフィリングが馴染んでいないので
すぐに食べてもあまり美味しくないと思う。
辺りを見ると、完成してジッとしている候補生や、
レアチーズを『冷凍庫』に入れてソワソワしている候補生や
色々な生徒がいた。オーブンを使った本格的な
お菓子を作ったのは、あたし達だけだった。
でも、2人での協力製作は事前承認はあったものの
反則気味では無いかと思う。
《結果発表》
鏡子先輩が、総評の準備をしていた。
「1年生の諸君、お疲れ様。2年3年で、ミーティングを
行った結果合格者は4人だ。」
「広野、鈴木、浪江、大熊、以上を、
本年度お菓子部1年とする」
結果発表が終わった瞬間に、席を立ち帰って行った
生徒が居た。まだ先輩がお話している最中なのに。
鏡子先輩は、評価点を教えてくれた。
「さて、全菓選を知っている生徒は、分かっていると
思うが、お菓子作りのチームは6人で1年から3年を
それぞれ2名入れる事も決まっている。この事から
何より求められるのは、チーム力なんだ。
お菓子の技量は二の次だったりする。よって
広野、鈴木がチームを作ったのは、高評価となった。
また、お互いの失敗をフォローしたり手順を分担し合う姿は、
上級生も見習って欲しいと思う。良くやったな。
次に浪江、君のデコレーションは、
お菓子デザイナーにも採用されそうなレベルだ。
専門知識があるのは分かったが全菓選は、
チームで挑むものだ。チーム全体を常に見て欲しい。
最後に大熊、大熊はお菓子のクオリティこそ
高くは無いが、フライパンを使うとき、場所を確保するとき
全てにおいて他の候補生と話をして、調整をしていた。
このようなネゴシエータスキルは、チームには
絶対に必要な条件である。君のような人に入部してもらえて
わたしは嬉しいぞ。
以上で総評は終わりだが、今回の選考会は、
承知の通り、お菓子の出来具合を見る物では無かったのだ。
今後とも、チームの輪を大切にして欲しい。」
「全く、いつも偉そうだね」
と言ったのは、あたしが、登校中にぶつかった
…確か富岡輝先輩だ。
「何を言う、偉『そう』じゃなく、偉いんだよ」
「あ、そーかい」
と言っているが、この二人は何か親密そうな感じに見えた。
「ところで、そこのバカップル」
2年のバッチを付けた先輩が、あたしと由美を見ている。
「あ、はい」と由美が応えた。
「エクレアとシュークリームって本当に2品か?」
「え、は、はあ」
由美は、下を向いている。
「こらこら明菜、1年をいじめるな」
と、助けてくれたのは、鏡子先輩だ。
先輩は、続けてとどめを刺す
「去年お前と夢乃が選考会で作ったお菓子なんか、
ホットケーキとパンケーキだっただろうが」
2年3年の先輩が大爆笑している。
鏡子先輩は、あたし達の方を見ながら言った。
「1年生の4人、入試が大変だったのに申し訳ないが
6月には菓子検定がある。これに4人とも合格してもらうので
まずは試験のエントリーをしてくれ」
「え!えええええええ!」
4人とも声を合わせて驚いていた。
「これ美味しいね!」
とエクレアをほおばっているのは、
さっきから意地悪を言っている2年生の双葉明菜先輩だった。
おかしいな2(おわり)
おかしいな3につづく
それじゃ、またね
『『小説』おかしいな2』へのコメント
- 投稿日:2014/06/09(月) 14:55:25 ID:718a91003>ありあさん
どうもありがとうございます。
実は「いいね」が殆ど押されなかったので、
後ろに隠したんです。ごめんなさい。
私の方が気付きにくくしてました^^;
来週15日は、リアルで第一回のお菓子検定があり
私も受験します。そのネタ仕込みだったりしますw
(落ちたら恥ずかしいのでmakiさんにしか言ってなかったんですがww)
どんな試験内容か分からないので、
試験を受けたあとに3を書こうかなと思ってますw - 投稿日:2014/06/09(月) 23:12:09 ID:718a91003>はるかさん
わ~!試験頑張ってくださいねー!
受かりますように^^
私はGL好きなので結構小説待ってたりします? - 投稿日:2014/06/09(月) 23:46:36 ID:718a91003>ありあさん
ありがとうございます(*^-^*)
すこし、やる気がでましたw
でも次はあまりニヤニヤできる感じじゃなさそうです(>_<)
お菓子作りがリアルだからか、臨場感があって情景がすぐに思い浮かびます。
加えてほんわかにやにやしてしまう、くすぐったいぷち恋模様!!次回もニヤニヤしながら待ってまーす!!(*≧∀≦*)