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こんにちは。
鈴木はるかです。
今回は、外部の傍観者としてSEOの目標管理や実績管理などの業務プロセスを見ていこうと思います。
最初にお断りしておきますが、私はSEOの業務に携わっていませんので専門外です。
ですので、現実とは大きく違ったり、机上の空論を述べるかもしれません。
それは、SEOを知らないから言えるのか、マーケティング知識があるから言えるのか分かりません。外部の人間のうち一人は、こう思っているという風に見て頂けるのが一番良いかと思います。



はじめに

企業では、必ずと言っていいほど目標管理をしています。
一般的にはMBO(Management By Objectives)と言われます。
それは外部から企業を支えている株主に対して、会社の活動方針を説明をするために必要だからです。
また、内部であれば「言ったことを履行しているか管理する」ために必要です。
つまり行動評定(査定)のネタになる訳ですね。

ただ単に目標と言っても立場により様々で、経営トップの目標は先ほど出てきた株主などのステークホルダーと共有すべき内容です。
しかし、部門長や担当となると内容は大きく変わってきます。

次章では具体的な例を基に説明いたします。

目標管理の階層構造について

ここでは、目標と階層について架空のお話しで説明します。
以下の図は、組織構造と、新規ゲーム開発を切り出した目標設定の例です。

新規ゲーム開発を見据えた組織構造目標設定
ゲーム開発の目標

最初に説明しましたが、会社での立場により目標設定は変わってきます。
また、組織はピラミッド構造となっており、上長が決めた目標を複数で達成する構造となっています。

たとえば、この会社では①の通り、経営者は前年売上げ+30%を目標設定しています。
①の内容は、株主と共有される内容であり、その内訳は事業部長の目標となっているわけです。
つまり30億の売上げを達成するために5億分はゲーム事業部が担務するという訳です。
残り25億を他の事業部で達成するというような表になります。

ここで注意するべきは、他の事業部が新規ゲームの事を目標や計画に入れるべきでは無いという事です。
もうすこしかみ砕いていうと、広告事業部があり、そこが「新規ゲームに対して売上げ目標を立てる」という事です。
別に正しく共有されていれば良いですが、ひとつの事業に複数のプレイヤーが絡んでくると目標設定が曖昧になります。
このような場合、うまくいっている間はOKですが、
目標が達成できないとき、責任のなすりつけあいなど見にくい状況となります。

そのような責任分担が不明確な組織の事をマトリックス組織といいます。
これは部下の方が可愛そうになるケースが多いです。
Aの上長は「もっと社外に出て活動しろ」といい、
Bの上長は「出張のしすぎもっとデスクワークを増やせ」
という感じです。これは心の病になる典型的な内容です。

もちろん、マトリックス組織を否定する訳ではなく、こういった状況が必要な場合もあります。
今回は、話しがずれるのでこの程度とし、目標管理をマトリックス組織で行うと責任分担が不明確と成り、問題になるという事だけにとどめておきます。

話しを戻します。
目標管理は、上から下に行くに従い担務する数字は小さくなり関与する人員が大きくなります。
また目標内容は、下にいくほど詳細化されていきます。

このような構成になっているのは、複数の管理者が、目標に向かって分担する事により、成果を上げやすくなるからです。
仮に一人で30億出来ますといって0の成果しかでなかった場合、会社は大損害です。
そういう危機管理もあり、このようなピラミッド構造となっています。

目標設定の仕方について

それでは、目標管理の具体的な設定方法を見ていきましょう。
必要な情報は次の通りです。
1.目標内容
2.業績評価指標(KPI)
3.目標値
4.期限
5.実績値

冒頭で取り上げた図をベースに目標設定内容を確認します。
経営者の目標は次の通りです。
1.安定した企業成長を維持する
2.決算報告資料の売上げ前年度比
3.30億
4.期末
5.実績値→売上げ+xx

なにか分かりづらいですね。
重要なのは、2の評価指標です。
具体的な金額や回数など測定可能な方式や数値にしなければなりません。
なぜなら、4の期限が来たときに、2の測定方法で3の目標値になっているか?
という様に、誰でも簡単に精査できることが目標管理の原則だからです。

このように目標設定/実績管理は、測定可能で明快な内容でないと、ステークホルダー(第三者)が評価できなくなります。
つまり誰でも、その目標が達成できているのか?というのが分かる仕組みにするべきなのです。

なので、測定可能というのは非常に重要だという事がお分かり頂けたかと思います。

測定できない目標設定について

最初の表に戻ります。
赤字で書いていますが「新規ページを必ず1ページに表示する」②という目標設定をしています。
よく考えて下さい。
新規ページを1ページに表示するには1~9位、または1~10位にランクしなければなりません。
しかも、ランクしているのは、会社のプレイヤーではありません。
Googleがランクしているのです。
あなたは、他社が決定するものを自社の目標にするのでしょうか?

私はコレを「間接目標」と名付けます。
目標設定を間接目標にすると間接のプレイヤー、ここではGoogleの気分次第で目標が達成できたか否かが決まるわけです。
こんな観測(測定)不能な目標設定をすべきではありません。
間接目標を設定してしまうと、自社でコントロール出来るもの以外を指標にする事になります。

管理者は、こういったコントロールや予測できない数値を目標設定すべきでは無い事を常に目を光らせて監視すべきだと思います。

2016.09.17追記
私は「間接目標を全て悪い」みたいな書き方をしていますが、文面から理解できるように、売り上げだって、間接目標です。
例えば、インハウスと一般企業からSEO業者に委託される業務内容は、全く違うと思います。
インハウスでは検索結果1位にするなどの目標設定はあり得ませんが、SEO業者にクライアントが1位にしてくてという依頼は、多分あるのでしょう。
そういった業務を受けるなとか、いうつもりはありません。
それを受けたなら、署名なSEO会社はそれに向けた様々な業務をします。
①競合調査
②キーワードの的確性
③被リンクの状態
④コンテンツの妥当性
⑤ページ構成、導線
⑥その他
これらを、改善するのが日常のタスクではないでしょうか?
日常のタスクは、目標があるから出来るのです。

なら、クライアントから1位してくれとの依頼があっても、社内ではそれに向けた様々な業務をしているので、このゴールにに向かって、行う目標設定・実績管理は、間接目標のではありません。直接目標です。
社長以下がすることは

①を何社、いつまで、アウトプットは?
③期限は、アウトプットはdb?エクセル?
etc

というタスク(業務)になるわけです。
この業務には、目標と期限とKPIが必要になります。
つまり、目標設定せず気ままに仕事をしている会社は企業とは呼べないので無視します。
できる会社は、必ず目標設定をしており、その目標は直接目標になっているのです。

私の書いたドキュメントが、インハウスの事だけという指摘をうけましたので、
そうではないと言い訳をしましたw

<以上追記を終わります>

理想の目標設定について

さて、ここで少し話を変えます。
ある人が「検索ランキングで1位なりたい」という目標設定をしようとしていたとします。
これは前章の通りやっていけない目標設定です。

でも、目標設定の趣旨をよく考えて下さい。

なぜ検索ランキングで1位になりたいの?
    ↓
多くの人にゲームを認知させ、ゲーム課金を増やしたいから

なのではないでしょうか?
1位になりました、「はいオシマイ」というような、おめでたい経営者はいないと思います。
その裏には、収益をあげたり、PVを増やしたりがあるわけです。

でしたら「その裏」を目標設定にすれば良いじゃ無いですか。

他社の指標ではなく、自社でコントロールできる目標設定に「置き換えれば」よいのです。
Googleは、ランクを評価する指標に「被リンクをを増やす」というヒントを与えてくれています。
ここでいくつか目標設定を考えてみたいと思います。

・被リンクを増やす
→被リンクは自社が行う行為ではありません。「してもらう」行為なのです。
なので、これは間接目標です。ダメな目標設定です。

・メルマガで宣伝する
→自社で行え、コントロールできる数値です。回数や、どんなメルマガで行うのか等により効果が変わります。
これは直接目標なので良い目標設定です。

・コラボできる企業を探す
→自社で行え、コントロールできる数値です。探す回数でも良いです。最終は「コラボ先と契約する」なのですがそれは間接目標です。なので、コンバージョンは契約なのですが「10社とコラボ交渉する」という目標を立てるのが良いですね。

・公式twitterで宣伝する
→ゲームの特徴や画像など、興味を引きそうな内容をつぶやくのは、コントロールできるものです。
最終的にはフォロー数を増やす(間接目標)やPPVを上げる(間接目標)に帰結するのですが、コントロールできるつぶやき回数などを目標設定にするのが良いです。

こんな感じで、コントロールでき、評価(第三者が)できる目標設定が良い目標設定です。


目標の管理について

企業では、PDCA(Plan Do Check Action)で回せという言葉を良く聞きます。
SEOでもPDCAという言葉が良く出てきます。
しかし、こんなのは、当たり前なのです。

CMMIという機関があり業務プロセスなどプロセスが、どの程度「成熟」しているか評価する指標があります。
指標は1~5の5段階で評価されるのですが、5が一番良い感じです。
1は全く成熟していないという事です。

例えば、発言権の強い一人が全てを統制している・・・いわゆる「ワンマン社長」がいました。
彼は、経営プロセスを上から下まで全て自分でコントロールする事で業務プロセスの統治をしていたわけです。
これはコレで、凄いと思います。
ですが、経営者がいなくなったら、その会社はどうなるでしょうか?
社員は路頭に迷うはずです。
私が小さかった頃、バッグに数百万詰め込んで営業活動するお爺さんがいました。(城南電気)
経営学など知る術もない時期ですが、もの凄く印象に残っています。
しかし、社長が他界した瞬間、案の定会社は潰れました。

このような業務プロセスをプロセスがルール化されてないという事で、CMMIは「レベル1」と表記します。
全く成熟していないという事ですね。

上位はどんな感じでしょうか?
「レベル3」では社内で業務プロセスの標準ルールを定めていて、それを履行している感じです。
成熟している日本の企業の90%(はるかの適当数値)が「~レベル3」止まりだと私は思います。
PDCAとか古い用語を必死で使っている企業はココ止まりです。

「レベル4」では「レベル3」のルールに数値を入れその数値を管理しプロセスをコントロールしている感じです。
「コントロールできる数値」というのがここでも重要になります。
もちろん、数値管理ですので目標と実績の数値がズレると、それを補正する仕組みも業務プロセスにないとだめです。

では、CMMI最高位の「レベル5」とはどんな内容なのでしょう?
レベル5は、業務プロセス自身を自分で改革し変更できる機能を持っている事です。
ITILでは「継続的業務プロセス改善」などと表記されます。
もうすこし具体的にしましょう。

最初の表に戻ります。
赤字の②の目標(新規ゲームのページを必ず1ページ目に表示する)を立ててしまった場合、必ず目標と実績に乖離が生じます。
乖離が発生するのは仕方ないです。
何をしなければならないかというと、なぜ乖離が発生したか原因を追及する事です。
PDCAのCですね。
原因を追及したらActionでこの目標を是正しなければなりません。
そして、Actionで打った施策が上手くいったとします。
ここまではCMMIの「レベル3や4」です。
この工程では、結果の数値は意味を成しません。
なぜなら、目標の前提が間違っているからです。
間違うのは、悪いことではなく修正したり原因追及できないのが一番悪い事です。
話がずれましたw

話を戻します。
「レベル5」にするためには、業務プロセスを改善、つまり
「目標設定時に、コントロール出来ない目標は設定すべきでは無い」
という新しいルールを作り、それを業務プロセスに入れる事なのです。

これがうまく機能すれば、この会社は来期より間接目標をすべて排除した形で目標設定出来るので、より正確な目標管理が可能になるわけです。
成熟した会社は、誰かが統制したり指示しなくても、自分たちで業務プロセスを改善し、次回から役に立つように修正できる仕掛けを持っている訳です。

野球の例え話が一番分かりやすいです。
監督が、ここでバントして、ここで盗塁して、いちいち指示するはレベル1です。
監督が寝ていても自分たちでどう戦うのが一番良いのか相談し合い、自分たちで統制を行い勝利するのがレベル5です。
業務プロセスは、こうあるべきですね。

目標と実績の差異について

ステークホルダーは、目標と実績の差異について敏感です。
決算発表などの業績報告や目標設定では、建てた目標に対してクオータ管理なら3ヶ月おきに実績が付与されます。
社会情勢などで目標が大きく異なる場合は業績予測の修正を発表しなければなりません。

このようなクリティカルな管理が必要なのには理由があります。
次に例を示します。

業績発表を大幅に上方修正するような内容が急に発生したとします。
すると、大抵のステークホルダーや、株主は喜ぶかも知れません。
しかし、空売りをしていた投資家は大損害です。

つまり、業績が上振れするのは「良い」とするのは間違いです。
業績は、上振れも下振れも「良くない」のです。

PMBOK(Project管理の規定、資格)では、予測する数値の上振れも下振れも「リスク」といいます。
リスクというと、下振れするときに使う用語に見えますが、全く違います。
上振れすることも、予測を外している訳ですから、なにか問題があるわけです。
問題は修正しなければなりません。さらに業務プロセスの修正も必要かも知れません。

このようにして「予測」の正確性は維持されます。

SEO部門をもっと利用しろ

少し話がそれてしまいましたが、また最初の図に戻ります。
ここで③(ゲーム名決定にSEO部門を入れる事を提言)を見て下さい。
この担当は非常に良い目標を立てていると私は思います。

SEO部門は、キーワードのプロです。
クリエイターやコピーライターは、キーワードを創造するプロです。

どちらが上や下という訳ではなく、この二つは必ず連携をとり仕事をすべきなのです。
SEO部門に「ゲーム名はこのキーワードで決まったのでよろしく!」
などと言うのでなく、一緒になって考えるべきなのです。
クリエイターだって案がいくつかあるはずです。その中で何が一番良いのかはSEO部門が一番知っています。
このようにキーワードひとつ決めるにも、必ずSEO部門がプロジェクトに入らなければなりません。

・・・少し余談を話しましたw

まとめ


・SEOの目標設定を行うには、結果が予測できる直接目標を使う
・業務プロセスを成熟化させるには、コントロールできる数値で改善できる体制にする
・SEO部門はキーワードのプロなのだから創造部門に必ず監修できる体制を作る


という事で、簡単にまとめてみました。
ビジネスの記事は、下手くそなのでご容赦ですw

何かありましたら、お気軽に連絡下さい。

ではでは。
この記事は 2019年04月01日09時23分 に更新

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(Haruka Suzuki)
仕事:金融システムのSE
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