今回は、スーパーホワイトな活動をされてらっしゃる方には全く無縁の話しです。
Googleによる「手動による対策」は、クエリに対するランキングを極端に下げられたり、検索結果から除外され全く表示されなくなってしまいます。
ただし、受けたサイトはサーチコンソールで知ることはできますが、第三者が気付かないような手動による対策も存在します。
すべてが検索結果から非表示になる訳ではないので、必ずサーチコンソールの通知メールやサーチコンソールを確認するようにしましょう。
その手動による対策にも様々な条件があり、発動のタイミング様々です。
公開されていない、手動による対策の発動条件を、鈴木はるかが解説してみたいと思います。
なお、私は2017年3月までGoogle公式フォーラムのエキスパートとして活動しておりましたが、本Webサイトに掲載している情報は私個人が纏めた内容であってGoogle公式の物では無い事を付言しておきます。
1.手動による対策とは
冒頭で説明した通り、手動による対策はWebサイトがGoogle検索に対して非常に不利になってしまいます。ただし悪意が無く対策される事は、ありません。
ただその悪意の種類も様々です。大きく分けて二つです。
一つが、未必の故意です。
たとえば、WordPressの脆弱性を放置していて不正侵入されてハッキングされた等です。
これは一見悪意が無い様に見えます。しかしながら「ハッキングされるような危険なサイトを放置している」または「ハッキングされたまま放置し第三者に危害を与えている」という悪意が未必の故意と見なされる訳です。
ですので、私でもいつこの適用をされるかもしれません。
その他、コメントを誰でも書き込めるようにして置くことで「スパムコメント」を乱発される可能性もあります。こういった運営者に直接悪意は無いのですが、間接的に悪事を働いている場合があります。
これを私は、未必の故意による手動対策という風にカテゴライズしました。
このカテゴリは、回復も早くハッキングの場合再審査リクエストを行い48時間以内に回復するのが一般的です。
また、複数回の措置を受けても解除がされなくなると言うことは無いものと想定できます。
もうひとつが故意です。
これは意図的にランキングを操作する等、明らかに悪意を持った施策を実施する事です。
なお、世の中にはすぐに自分の非を言い訳する人がいます。
・何かのミスではないか?
・なんで私だけ?
・こんな事で?
・知らなかった
等です。
手動による対策は、その名の通り「手動」で行っています。
検出は自動の可能性が高いですが措置はあくまで手動です。
間違いなどあるはずがありません。
(ただ、人手が介入しているからといって100%という意味では無くミスもある)
主な手動による対策一覧は以下のリンクを参照してください。
一般的な手動による対策の一覧
この故意による手動による対策は、繰り返す事により措置が重くなったり解除が難しくなったりする事が最近発表されました。
ウェブマスター向けガイドライン違反を繰り返すサイトについて
この記載の中にある「更に厳しい対処を取る」という記載に対し、Googleに問い合わせてみましたが回答は貰えませんでした。
ですので私は永久解除不可もあり得るとしてフォーラムで警告を発し続けています。
2.手動対策発動の条件
さて本題です。手動による対策が発動する条件はどうなっているのでしょうか?
まずは図説してみます。
手動対策の発動条件
また、面白い絵を描きましたね。あたし^^;
用語の説明です。
検索影響度:
検索エンジンの露出回数クエリによる露出度と言っても良いです。検索エンジンを利用するお客様にとって、このサイトがどの程度影響しているかの度数です。
露出回数が多ければ影響度は多いし、上位クエリで表示されるほど影響度が大きいです。
ガイドライン違反度:
これは、単純に違反数ではなく違反の大きさx個数という理解で良いかと思います。1件の違反でも対策を受けるような物もあれば、軽い違反を10件行ってもなんの処罰も受けない場合があります。
ということで、この二つの指標により手動による対策が発動すると考えています。
表の見方です。
たとえば、軽度の違反を何点か行っていて、Aの位置にあったとします。
Aの位置なので縦軸のクエリに対する露出度もたいしたことが無かったとします。
しかし、ある日突然twitterで有名人にリツイートされ、大注目を浴びるようになりました。
そして、検索露出も増し検索結果に何度も表示される様になりました。
そうしたら、違反状況は変わらないのにBの位置に移動する事になります。
レッドゾーンに突入してしまったら、「手動による対策」となってしまいます。
なので有名になったり収益が出だした瞬間に、手動による対策を受けるのはこのためです。
ブラックは非常に非効率ですよね。
と言うことで見方がおわかり頂けたと思います。
大事なのは、1点だけ軽度の違反をしたからといって即座に手動対策を受けたりしないという事です。
なのでくれぐれも自演で手動対策を受けるなら殆どのサイトが手動対策を受けるだろうとかとち狂った理論を展開しないように注意して下さい。
サイトの露出規模によっても変わってきますから「あの人はOKで・・・」は言い訳にもなりません。
私たちが常に目指すのはX軸をゼロにする事です。
3.手動による対策を受けないようにするには
結論は、非常に簡単です。ガイドライン違反をしないことです。
ガイドラインは、非常に明快に書かれています。
ただし適用を広く行うために、曖昧な記述があります。
その曖昧な記述に対して、どういった解釈を行うかにより技術者によって違った施策になったりします。
1.ガイドラインの解釈が技術者により違う
つい先日、人畜無害な私がいきなりtwitterに晒されるという経験をしました。公式のトップコントリビュータの方が「事業サイトからサービスサイトの紹介のリンク」はdo/no迷う、「人材募集の別サイトへの導線をフロートかつdofollowでリンクすることが「黒」」というのは本気でしょうか?https://t.co/v0MaX50kmZ
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) November 4, 2016
公式トップコントリビュータというのは誤りでトップコントリビュータプログラムの参加者ですね。
問題はそこではなく、企業がサービスの紹介で行う自演リンクと、サービスとは無関係の「人材募集の宣伝」を自演リンク(外部ドメイン)する事についての議論になっています。
具体的には、ある企業が、全く別ドメイン(業種や内容も別)にcssのfixed(画面に固定されてスクロールしても動かないボックス)で「人材募集」のリンクを張っている事例です。
※人材募集先と、そのサイトはグループ企業というだけでコンテンツは何の関係もありません。
このような状況で、このような指摘を受けました。
まず、企業がサービスをdofollowでリンクする行為について
私は、あり得る話しだと思い
>顧客にメリットが無い「募集」を追跡でfollowしているのは顧客にメリットが無い「募集」を追跡でfollowしているのは私が黒と言っているだけで公式でも何でもないですので記事にしないでくださいねw
— はるか (@harmo_snipe) November 4, 2016
あと自演リンクは、PageRankを上げる事が目的のリンクなので、企業がサービスを紹介するのはOKかもです。
>私が黒と言っているだけで公式でも何でもないですので
>記事にしないでくださいねw あと自演リンクは、
>PageRankを上げる事が目的のリンクなので、
>企業がサービスを紹介するのはOKかもです。
企業がサービスを紹介するのはOKだと発言しています。
もちろん、企業が人材募集にリンクするシチュエーションは発生するので、リンクすること自体は、問題はないと考えています。
しかし、コンテンツで表示しているサービスとは無関係な人材募集へのリンク張るのは、あきらかなPageRank上昇目的のためのリンクと考えられ、私は黒だと判断しました。
これに関しては、感情的と錯覚したとして謝罪をしているので、それでOKだと思います。
このあたり、同一企業が運営するリンクで悪質な意図のないものはOKというのはSEOに関わる人なら常識かと思っていました。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) November 4, 2016
本当に感情は関係ない話でしたらただの認識の誤りでしょうし謝罪します。
この発言について、少し引っかかるので、今回はこの部分を取り上げてみます。
このあたり、同一企業が運営するリンクで悪質な意図のないものは
OKというのはSEOに関わる人なら常識かと思っていました。
まず、Googleの定義から見てみましょう。
https://support.google.com/webmasters/answer/66356?hl=ja
これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。
と書いています。
つまり、PageRankを上げる意図が無い場合は、違反にならないと読めます。
「悪質な意図」等はここでは出てきません。
SEO技術者を名乗る人がdofollowでリンクする事で、そのページ(外部リンク)が検索エンジンに評価されPageRankを転送し、上位に表示されるというのは、常識中の常識です。
つまり、関連企業であれdofollowでリンクする事は、検索順位を操作しようとしている意図が無いとしても意図があると見られても仕方ない訳です。(未必の故意)
さて、もうすこし踏み込んでみます。
Googleは「自然リンク」の定義をしています。
良質なコンテンツを作成すると、それが利益につながります。
リンクは編集者による人気投票のようなもので、役立つコンテンツの数が多いほど、誰かがそのコンテンツが自分のサイトのユーザーにとって役立つことに気付き、リンクを作成してもらえる可能性が高くなります。
さて、ここで私が強調している自然リンクの定義について「本質」があります。
これは「PageRankシステムの本質」と言っても良いです。
この投票を自分で行う行為、
つまり自作自演というのは、Googleが一番嫌う行為だと私は思います。
ratingシステム(マイビジネス・リッチスニペットガイドライン他)やAdSenseなどあらゆる箇所で「自作自演」を禁じています。
当然ですが投票というのは自分で行う物では無く他人にしてもらうわけです。
(厳密な選挙の揚げ足禁止、一般選挙は自演投票あり)
PageRankでは当たり前すぎて「自分で投票しては駄目」と書いていないだけです。
さらには、Googleはその企業存続意味をが規定しています。
その中に、これと同じ表現が登場します。
Google が掲げる 10 の事実
PageRankのアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。
このようにページ間のリンクは、最高の情報源でそれは「投票」と断言しています。
自演リンクは Google のウェブマスター向けガイドラインに違反します。アフィリエイトを利用する際は以下のヘルプ記事をご一読下さい。
— Takeaki Kanaya ★ 金谷 武明 (@jumpingknee) November 1, 2016
リンク プログラムhttps://t.co/UR0iDAjOCR
アフィリエイト プログラムhttps://t.co/dXsi1TA1zE
どのようなリンクがウェブマスターガイドラインに違反するか?ということは、実際の記事を見ていただければよいと思います。ポイントは、「PageRankや検索結果上での掲載順位を操作することを意図したリンク」です。https://t.co/1b0nwyDHYr
— Kazushi Nagayama🕊️長山一石 (@KazushiNagayama) November 4, 2016
SEO技術者ならnofollowというリンク手段を知っています。
自社関連の他ドメインをわざわざdofollowでリンクして、白い目で見られるより
nofollowにすれば良いのにと思います。
私は、企業がサービスを紹介するのはdofollowでしかるべきですが、人材募集などコンテンツと全く関係無いサイトをdofollowでリンクする事は限りなく黒に近いと思っております。
このように、ガイドラインの曖昧な記述について、解釈が異なるものは多々散見できますので、技術者によって適用や考え方が違う可能性もありますので、注意して下さい。
<関連情報リンク>
Web担当者Forum
制作会社がクライアントのサイトに設置した「Desinged by」リンクは不自然リンクになる危険あり
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/03/06/19484/page/1
これは、サイドやフッタバナーなどのリンクに制作会社へdofollowするのは良くないとジョンさんが発言しているものです。
この事例からするとPowered by WordPressもdoでリンクするのは違反の可能性が高いです。
Web担当者Forum
サイト全体に渡るフッターからのリンクは価値が低い
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/01/29/22055/page/1
これも、制作会社が設置する自演リンクについてです。
Google社員のジネブさんは一本くらいなら問題にならないとしています。
ただ、重要なのは、フッタやサイドバーなどページ数だけPageRankを渡すリンクができてもその価値は低く、リスクの方が大きいと言う点です。
2.完全なガイドライン違反の事例について
SEO技術者により、解釈が異なる場合があるのは上述の通りですが、自分の施策がガイドラインに違反してないか不安な方が多いようです。でも、よく考えてみて下さい。
PageRankシステムは人気投票だと説明した通りです。
それなのに、広告業者に広告を依頼(お金を払って)して自分のサイトにPageRankを転送するとかいう手法は完全なブラックハットSEOです。間違いなく手動による対策や自動の対策の処罰を受けるので早めにWebマスター側で対策をした方が良いと思います。
フォーラムに相談された方のリンクを見てみましたが、dofollowで中間(業者へ)リンクを張り、業者は302でサイトへ転送していました。
302は一時的なリダイレクトですが、何ヶ月も使用すると301と同等に扱います。なのでPageRankも転送される事を忘れないでください。
最近は顕著にアフィリエイトの摘発が多くなっています。
以前、私はオフィスアワーでアフィリエイトでリンクする際はnofollowは必要ですか?というのGoogleに質問をしています。
29分32秒当たりからですね。
ちなみに、こんなコンテンツです。
ポイントですが、以下の通りです。
自分のサイト→Amazonの商品
自分のサイト→楽天の商品
こちらについては、nofollowは不要です。
Google側でリンク先を自動的に判断しています。
大きな通販サイトでは自動判断されていますが、小さい通販業者等は、nofollowを付けた方が良いかも知れません。
心配な人は付けて頂いても損にはなりません。
もう二つ金谷さんが別の話をしてくれました。
ひとつが、アフィリエイトで自分のサイトにリンクする行為です。
つまり、
「一般広告サイト→広告業者→自分のサイト」
というビジネスモデルがあると思います。
これは、Googleからみた場合、一般広告サイト(一般サイトで広告を設置している人)から、自分のサイトへ不正にPageRankを転送する、所謂典型的な自演リンクになります。
なので、こういうアフィリエイト(広告を業者に出している)をしている方は、リンクがnofollowになっているか必ず確認して下さい。
もうひとつが、先ほどのAmazonや楽天の話ですが、サイドバナーなどで自分のサイトにPageRankを転送するようなリンクを設置しないで下さい。
以上2点(私が具体化しています)が言及されていると解釈できます。
3.有料リンクに決して手を出さない
有料リンクという言葉を初めて聞く人は、意味が分かりませんね。有料リンクは、金品によってリンクを発したり受けたりする事です。
例えば、私が会社の経営をしていたり、アフィリエイトで商品を販売していると仮定します。
そして、Googleの検索順位でなんとか上位に表示したいと考えていたとします。
そんなある日、SEOの営業さんが当社からあなにGoogleに気付かれないリンクを張ります月額xxです。必ず効果が出ます。
と美味しそうな話を持ちかけてきたりします。
非常に安い金額なので、ちょっと試してだめだったら・・・
とか考えてしまいそうです。
こういう人達に営業しますので、担当者は、自分が悪いことをしているかどうかの認識もなく、試してしまうのです。
自分のサイトへのリンクは有料で設置できません
これは、いかなる例外もありません。
・お試し商品を贈るのでレビューをブログに書いてリンク
→有料リンクです
・あなたのブログのスポンサーになります
→有料リンクです
・パソコンが壊れたので恵んで!あなたのサイトにリンクする
→有料リンクです
・ラーメンおごるのでリンクして
→有料リンクです。
有料リンクは、リンクを発する側と受ける側双方、リンクプログラムへの参加というGoogleの品質ガイドラインに違反します。
リンクは、人気投票であるという事を忘れないで下さい。
また、リンクをしているコンテンツを見せる人は誰でしょうか?
あなたのサイトを訪問する人ですよね?
その訪問者は、リンクを見ることでメリットを感じますか?
常に自問しましょう。
訪問者優先で考えれば、リンクは自分の発するコンテンツの一部だと考えるようになります。
そこに関係無いリンクを載せることは、訪問者を愚弄しています。
Googleの調査でも、記事に関連する広告リンクが一番クリックされやすい事が分かっています。
また派手派手しい広告より、テキスト広告の方がクリックされやすいです。
こういう調査実績があるのですから、関係ないコンテンツにリンクするのはやめましょうよ。
さて最後に、私が言いたいのは「Googleに気付かれないリンク」なんてありません。
ahrefsの比ではないクローラーを回しています。
半端じゃない量をクロールしているのです。
そんな会社に気付かれないリンクなんてある訳がありません。
気付いていないフリをしているのです。
Googleはアルゴリズムでの自動対策が通常運用です。
しかし、自動対策が機能しないようなイレギュラーな手法は、手動による対策するしかありません。
手動による対策は、アルゴリズムで対処できない&早めに実施しないと被害者がでるという場合に発動します。
逆に手動による対策を受ける方が、アルゴリズムがついて行けないほどブラックと言える訳です。
(自動で対策できないほど大量の自演や不正リンクなど)
私は自演リンク張りまくりだが、手動による対策を全く受けないという人は、既に自動対策の餌食になっているかもしれません。
大量生産でサイトを潰すのが前提のアフィリエイトと、企業や著名ブロガーなどサイトを潰すことが許されないサイトでは施策が全然違います。
後者は完全なホワイトであるべきです。
有料リンクはブラックハットSEOです。
決して手を出さないで下さい。
なお、
・記事とは関係無くリンクしたい
・ページトップにスポンサーを載せていたい
・リンク集だけの友達ブックマークページを作りたい
などの理由で意味の無いリンクを付けたい場合もあると思います。
Googleは、これらを一切否定していません。
もしリンクする場合は、aタグ内に rel=”nofollow” を追加すればいくらやっても問題になることはありません。
(ただし、私はアクセシビリティを見ていると思います。つまりnofollowでも過剰だと問題)
4.まとめ
・ランキングを不正に操作した場合、手動対策によって正常化される・手動対策の発動条件は、検索影響度とガイドライン違反度によって決まる
・手動対策を受けない様にするにはガイドライン違反をしない事である
・ガイドラインの解釈で問題が発生しそうな行為は極力避ける
・アフィリエイトリンクは形式により自演になる
・有料リンクは絶対に設置しない
ということで、各SEO技術者の判断は別れる所ではあります。
しかし、最後に一つ言わせてもらえば、優秀なサービスやページは、何の操作をしなくても自然にリンクされ、自然に人気を獲得し、自然に投票され上位に表示するようにGoogleは努めています。
ではでは。
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